【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2018年3月

*100年に一度だけ花を咲かせるセンチュリープラント

                       『プヤ・ライモンディ』*

 

プヤ・ライモンディは、標高4,000mを超えるアンデスの高山地帯にだけ生育するパイナップル科の植物です。「プヤ」とはスペイン語で「ヤリの穂先」を意味し、その名の通り、6mもの槍上の柱のような物が、直径4mあるイガグリのような葉の集まりから突き出す独特な形をしています。

 

実はこの6mもある柱は、花茎で100年に一度、開花し、満開時には3万個の白い花を咲かせて、さらに30〜40万個の種子をつけるそうです。昆虫類がほとんど生育していない標高4,000mの地ではハチドリが甘い蜜を求めて花序につき、受精を促します。

ではいったいなぜプヤ・ライモンディは、100年に一度しか花を咲かせないのでしょうか。それは、標高4,000m以上あるアンデスの不毛な土壌が関係しています。プヤ・ライモンディは、花を咲かせ種子をつくるためのエネルギーをこの栄養枯渇な不毛の土地で長い年月をかけて蓄積しなければなりません。だから開花までに100年かかると言われていますが、様々な諸説もあり、未だはっきりとしたことは解明されていないようです。

 

直径4mものイガグリのような姿になるまでに70年〜100年、そして十分に成熟した100年目ごろに花茎を伸ばし大量の花を咲かせ、種を残して一生を終えます。私たちもプヤ・ライモンディのように、多くの苦労を重ね、最後には花開く華やかな人生を送りたいものですね。

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