【月一小話 植物の小ネタ バックナンバー】

2017年4月

*屋久島の縄文杉が長生きできている理由とは・・・*

 

スギの木は、まっすぐに育ち、軽いため“加工しやすい木”として昔から利用されてきました。しかし屋久杉は、真っ直ぐではなく凹凸が激しく、加工には不向きでした。伐採されずに、残されてきた屋久杉は、現在もゆっくりと成長し続けています。樹齢1,000年以上の杉は「屋久杉」、それより若い杉は、「小杉」と呼びます。通常のスギの平均寿命は、500年とされていますが、あの屋久島の縄文杉は、どうして、数千年以上も生きられているのでしょうか。

 

屋久島は、栄養が乏しい花崗岩でできているため、スギの生育を遅くさせています。ゆっくりと時間をかけて成長していくことで、年輪の幅が緻密となり、硬い材質となります。この構造により一般の杉の約6倍の油脂分を貯めることができ、縄文杉は、この油脂により害虫や細菌から身を守り、1,000年以上の長い年月を生き延びる事ができているのです。

 

人々の木材利用事情と屋久島の大自然が作り出してきた、神秘の木“縄文杉”。みなさんも、今年は、この神秘な縄文杉を見に、屋久島を訪れてみてはいかがでしょうか。

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