【2012年6月28日】

ニュースリリース

国内企業初、遺伝子組換え花きの産業利用第二種使用等拡散防止措置について、農林水産大臣の確認手続が終了

理研ベンチャーの株式会社インプランタイノベーションズ(神奈川県横浜市鶴見区小野町75-1、髙根健一社長)は国陽工芸株式会社(東京都国分寺市西恋ヶ窪1丁目45-20 井室隆社長)と共に、カルタヘナ法に基づく遺伝子組換え植物の産業利用第二種使用等拡散防止措置について、農林水産大臣の確認を受けました。

国内企業初となる植物の「産業利用第二種使用」の農林水産大臣の確認

今回、大臣確認手続が終了したのは、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所が開発した、色素合成系遺伝子の調節により花色を変化させた遺伝子組換えトレニア2種類(親系統)と、親系統に重イオンビームを照射することで派生した系統(独立行政法人 農研機構花き研究所と独立行政法人 理化学研究所 仁科加速器研究センターの共同開発)を、閉鎖系施設で栽培し、それらを樹脂封入加工して教材作製するという商業利用を目的とした内容になります。

 

この手続きは、遺伝子組換え生物等(LMO)の使用を規定した国内担保法(通称「カルタヘナ法」)の省令のうち、閉鎖系施設での商業栽培に当たって執るべき拡散防止措置等を定めた「産業利用二種省令」(注1)に基づいており、国内企業が農林水産大臣に対して申請した「遺伝子組換え植物」での確認は、今回が初となります。

 

遺伝子組換え植物を加工した教材について

 今回、大臣確認手続が終了した遺伝子組換えトレニア、及びその派生系統は、確認の内容に基づく適切な拡散防止措置を執った施設内で栽培された後、自然の色や形を保ったまま透明のアクリル樹脂に封入されます。封入までの処理工程で、これらの植物は完全に生物機能を失うため、通常の商品同様、流通、販売が可能となります。弊社ではこの製品を、遺伝子組換え技術や重イオンビーム育種技術を学ぶための教材として販売することを予定しています。

弊社代表のコメント

「今回の事例は、遺伝子組換え花きについて、農林水産省からの確認を受けた拡散防止措置施設内での育成、商品化を実現する初めてのケースとなります。今回の事例を踏まえ、今後、機能性を高めた野菜についても、閉鎖系植物工場内で栽培、粉末加工して販売する可能性が開けるのではないか期待しています。当社では、筑波大学と共同で『ミラクリン(注2)を生産する遺伝子組換えトマト』の開発が終了しており、現在、食品の安全性に関するデータを収集しているところです。ミラクリンを待ち望んでいる方々に、一刻も早くお届けできればと考えております。」

 

(注1):

産業利用二種省令とは、遺伝子組換え生物等の第二種使用等(第二種使用等とは、遺伝子組換え生物(LMO)の環境中への拡散を防止する意図をもって行う使用等であって閉鎖系(実験室内、培養タンクなど)で使用するものをいう。)のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令(平成16年1月29日財務省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・環境省令第1号)

 

(注2):

ミラクリンとは、0.03mg程度で酸味を「蜂蜜のような上質の甘さ」に変化させる物質(正確には、ミラクリンを食べずに感じる酸味を10とすると、ミラクリンを食べた後では3の酸味と7の蜂蜜甘さを感じるようになる)糖質ではないのでカロリーは限りなくゼロに近く、「カロリーの過剰摂取」を抑える、あるいは、「糖尿病の方々の甘味欲求を満足させる、いわゆる生活の質の向上」を目的とした使用が、日米欧で期待されている。

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